武易一体

武道と易経の共通点や、名言を紹介していきます。武道と易を大きな柱としていきますが、陰陽五行の視点からさまざまなテーマを取り上げていきます。 忘備録、知識の整理も兼ねているため、過去の記事の修正・編集していきます。

武道は試合のある格闘技と根本的に異なるところがあります。それはルール、つまり禁止されている技がないことです。試合では通常では、金的は打ってはいけないことになっています。回し蹴りは威力があり試合でもよく見ますが、金的を打っても構わないことになってしまえば、不用意に蹴り技は出せなくなります。 もちろん、武道に禁止技がないからといって、暴力的なことをするわけではありません。武という漢字は戈を止めると書きます。戈は古代中国で使われていた武器です。相手の暴力的なエネルギーを止めてしまうのが武です。 剣聖と言われた新陰流開祖の伊勢守にこんな逸話があります。ある立ち寄った村で、男が子どもを人質に立て籠もっていました。それを知った伊勢守は僧侶の袈裟を借り、剃髪して男の所へ向かいます。腹が減ったろうと食事を男に与えた時にできた、一瞬の隙を見逃さず男を捉えたそうです。